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テレビなどのニュース番組、Webサイトなどでよく「○ヨタ社製造の○リウスという車にリコールが発表されました」などといった情報が流れることがあります。
リコールというと、その車に重大な欠陥があったというように受け取りがちですが、リコールという言葉には明確な定義があり、重大な欠陥という言葉だけでは表すことができない意味が含まれています。

 

リコールとは

リコールとは、商品を販売後、命の危険を及ぼす可能性ある重大な欠陥がある場合に国土交通省に届け出をしたことを言います。
ここで重要なのが「命の危険を及ぼす欠陥」ということと「国土交通省に届け出をした」という2つです。

命の危険を及ぼす欠陥ということは、その欠陥によって人間が死んでしまうかもしれないということで、例えば、単純なところでブレーキオイル経路にあるつなぎ目を生産段階で間違ったつなぎ方をしたためにそこからブレーキオイルが漏れてしまい、次第にブレーキが効かなくなり、止まりたいところで止まれなくなるため、歩行者や他の車に危害を加えてしまうといったようなものです。
これは直接的な欠陥であって非常にわかりやすいのですが、少々回りくどいようなリコールも存在します。

例えば、オートマチックトランスミッションの不良からセレクターレバーを動かしてDレンジやRレンジに入れてもすぐにギヤがつながらないといったもの、これは故障であることには間違いないのですが、ドライバーの操作感が悪いだけで少し待てばギヤがつながるので、それが命の危険となるとは思えません。
しかし、ドライバーからすれば、セレクターレバーをDレンジに入れれば、即座でないにしても若干のタイムラグを踏まえた上で感覚的にギヤが入ったと思いアクセルペダルを踏みます。

これが正常であれば何事もないことなのですが、トラブルによってギヤがつながるまでに時間がかかってしまうと、ドライバーは既にアクセルペダルを多少なりとも踏んでいる形となり、エンジンの回転数が上がっている状態となるわけで、そこで遅ればせながらギヤがつながると思いもよらぬ急発進をしてしまうのです。
要するに車がいきなり飛び出すといったことになり、それによって制御することができなくなり、人をはねてしまう可能性があるということでリコールとして扱われるのです。

 

少し前に騒がれていたトヨタのプリウスのフロアカーペットがずれるといったリコール、これはずれたカーペットによってブレーキペダルを深くまで踏み込むことができなくなり、正常な制動力を得ることができないということで危険と見なされリコールとなりました。

もう一つのキーワードとなる「国土交通省に届け出をした」といったものですが、リコールと思わしきトラブルが出た場合は、国土交通省に届け出をしなければならず、その届け出が受理された時点でリコールとしてみなされます。
しかし、ある自動車メーカーでは、自社のイメージダウンや大ヒット作となったハイブリッドモデルの評判を落としたくないがために、リコールとして届け出をしなければならないトラブルでも届け出をしませんでした。
これが後々ばれてしまったものを「リコール隠し」といい、ばれておらず定期点検で入庫してきた時などに秘かにその部分を直して何事もなかった形にしてしまうのを「隠れリコール」とか「裏リコール」などと言います。

リコール相当のトラブルがあるのに、それを届け出ないのは完全に違法ですが、極端なことを言えば、ばれなければ内部だけでとどまってしまうものです。
こういうことが起こらないように内部告発が出来るような仕組み作りが重要になりますね。

 

リコールとサービスキャンペーン

リコールと似たものにサービスキャンペーンとか無償修理というものがあります。
これらはリコールのように命の危険を及ぼすほどではないが、販売した車にある特定の部位にトラブルが続出している時に原因を突き止めたうえで発表されるもので、これも国土交通省によって決められていることなのですが、こちらは届け出は必要なく自動車メーカーが単独で行うものです。

よく自動車関連のWebサイトなどで、複数の人間から同じところが同じ症状で壊れるから「これはリコールだ!」などといっている方を見かけることがありますが、同じ症状、同じ場所でトラブルが起こるからといって必ずしもリコールではないのです。
例えば、カーナビの操作ができなくなるといった症状が多発していたとしても命の危険につながることではないので、リコールには絶対ならず、せいぜいサービスキャンペーンか申し出た方だけに無償修理を行うだけという対応になります。

 

リコールが出たら

リコールは、ニュースやウェブサイトなどで知ることができますが、もっと詳しく知るには自動車メーカーのWebサイトを参照するとよいでしょう。
そこには該当する車種と該当する車体番号、リコール箇所、リコール整備の方法などが詳しく書かれているので、そこで確認を取ります。

そして、自分の車が該当していることが分かった場合は、とりあえず新車ディーラーに電話を入れても良いでしょう。
新車で購入したのであれば、その車を購入したディーラーに連絡を入れ、中古車であれば近所の同じ自動車メーカーのディーラーに連絡を入れます。

リコール整備は、その自動車メーカーの正規ディーラーであればどこでも受けることができますので、必ずしも買ったところでなくてはいけないということではありません。
電話の際にリコールに該当している車であることを伝えれば、その後のリコール整備の段取りを案内してくれるはずです。

新車に乗っている場合は、購入したディーラーからリコールの案内ハガキなどが送られてくるので、それから対応しても良いかと思います。
費用に関しては、リコールは完全に無料なのでお金を取られることはありません。

内容にもよりますが、リコールがわかり次第、本来はすぐにリコール整備を受けた方がいいでしょう。
点検や修理、車検を受ける時に同時に行ってもらうといった方が効率的だとは思いますが、そうでなくても自動車というものはある意味で凶器みたいなものですから、少しでも危険がないようにする必要があるので、少しでも早く対応した方がいいかと思います。