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買取店などで車を査定する人のことをよく査定士と呼ぶことがあります。
現実的には査定士というより、車を何とかして買い取ろうとする営業マンといった方がしっくりくるのですが、一応とりあえずは査定士と呼んでおきましょう。

 

査定士とは

この査定士というものは、その名の通り車がどれくらいの価値を持つものなのかを判断するのが仕事で、査定の後に明確な査定額を算定する人間のことを指します。
ボディの傷やへこみの状態を見たり、内装の傷み具合を見たり、エンジンの状態を確認したりと車のあちこちを見て「この車は○○円です」と明確な金額を出すのがこの査定士の仕事です。

仕事ぶりを見ているとあっちこっちいろいろな部分を見ながら、価値を出していくので何やら難しいことでもあるのではないかと思ってしまいますが、実はこの査定士という職業は誰にでもできるようなもので、それこそ買取店などに就職さえすれば誰でも査定士になることができるのです。
しかし、車に全く興味がなく、車の部品の名前や構造すらわからない人がすぐできるというものではなく、やはり車に関する知識がある程度あるか豊富でなければなりません。

そこで査定士というものを明確にするための一つの資格が存在しています。
それがJAAI認定の中古自動車査定士というものです。

 

JAAIの中古自動車査定士とは

JAAIは、経済産業省や国土交通省のバックアップによって運営される財団法人の日本自動車査定協会の略語で、正しい価値観で公平な自動車の査定を行うために設立された団体であり、そこで教育を受け中古自動車査定士技能検定という資格試験に合格した人間をJAAI認定中古自動車査定士として世に送り出すという業務もしているところです。
ここで資格試験をパスした人間は、日本自動車査定協会に登録することによって日本自動車査定協会が認定する査定士として仕事をすることができるようになっています。

しかし、この資格は民間資格です。
これがなければ車の査定をすることができないというわけでもありませんし、買取店や中古車販売店などのお店を持ってはいけないというものでもありません。

要するにフラワーアレンジメント認定試験や世界遺産検定、ハーブ検定などいったものと同じということです。
いろいろな教育を受けるので知識はそれなりに身に付くことはあっても、それがなければいけない世界などどこにも存在せず、極端な言い方をすれば自分を試すだけのものと思っていいでしょう。
強いて言えるメリット言えば、履歴書に書くことができたり友人に自慢できるぐらいです(笑)

 

中古自動車査定士技能検定をとるには

中古自動車査定士技能検定をとる前に、まずはこの資格の種類を知っておきましょう。

中古自動車査定士技能検定には2つの資格試験があります。
1つは小型車査定士というもので、こちらは乗用車から4トン積みトラックまでの商用車の査定を行うための資格です。
そして、もう一つは大型車査定士というもので、これは小型車査定士の上のクラスで大型トラックや大型バスなどの査定を行うための資格です。

注意したいのは、免許証のように大型免許を持っていれば普通車を運転できるといったものではなく、大型車査定士資格を持っていたとしても小型車査定士の資格は含まれないということです。
日本自動車査定協会が言うには、小型車査定士の資格を持っていなければ、いくら大型車査定士の資格を持っていたとしても普通車の査定はできないとしていますが、それ以前に査定を行うのにこの資格がなければならない訳ではありませんので形だけのものとなっているようです。

受験する資格がきまったら今度は日本自動車査定協会の支局にて3日間の講習を受けます。
これは知識が豊富な方で講習など受けなくても合格することができる方でも必ず受ける必要があり、この講習を受けないと資格試験の受験資格を得ることができないようになっています。

受験費用は小型車査定士で16800円、大型車査定士で17588円、そして両方の同時受験で31553円となっています。
こういった試験にここまで費用が掛かることは普通ないかと思われますが3日間の講習も含めて、この団体の一つの収入源となっているようです。

 

試験は合格したが・・・

高いお金を払って退屈な講習を受けたうえで、やっとのこと査定士の資格を取りました。
では、買取店に就職しましょう・・・といってもこの資格、ほとんど役に立ちません。

そもそもこの資格は民間資格で何ら効力を持たないものですので、例え買取店に就職するとしても、これを持っているからといって優遇されることはほとんどありません。
実際に買取店で査定をして「ああでもないこうでもない」といろいろなことを言って、人の車にケチをつけている方のほとんどはこの資格を持っていません。

最初にも言いました通り、査定士など資格がなくてもなれるものなのです。
買取店での査定もはっきり言って日本自動車査定協会のやり方ではなく、主にその買取店やそのチェーン店の本部で作られたマニュアル通りに動いて査定額を算出しています。
むしろ協会のやり方で査定をしてしまったら買取店としては利益が少なくなってしまいますので、嫌われてしまうことになるでしょう。

日本自動車査定協会の中古自動車査定士技能検定は、とりあえず資格試験として存在はしていますが、一部を除いてほとんどの関係企業や団体などではほとんど意味を持たない、現実的ではなく理想論だけの資格と言って良いでしょう。