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日本の中古車市場は、買取店の買取やディーラーの下取りで得られた車を業者間で行われるオークションで競り落とし、それを中古車販売店で販売したり、買取った店舗での直接販売するという流れを持ちます。
その中で特に車の扱いに気を付けなければならないのは、お金を動かすきっかけとなる買取店ではないでしょうか。

 

お金が絡むと怖い

買取店は中古車販売店と共に中古車市場の中で直接一般の消費者と接するところです。
特に買取店は車を持ち込んだ人間に「現金」という対価を支払うことになり、その金額も数万円から数百万円とかなりの多額の現金を扱います。
人間というものは現金には異常な執着を示すもので、1円でも自分の価値観より低い査定額が出され、その金額で売却しなければならないとなるとかなり強い嫌悪感を持つことになります。
ただ、その嫌悪感はあくまでもその人の価値観がものさしとなっており、必ずしも正しい価値観ではありません。
しかし、車の価値を正確に見出すことをできる人間はこの世に1人もいません。
なぜなら、そもそも車の価値などその車のオーナーが決めることですから、赤の他人に何と言われようが全てが間違いなのです。

ただ公正な判断において車を売却するにはどうしてもある一定のものさしが必要で、その「ものさし」が正しいものであることを証明したうえで車の価値を決める査定を行わなければなりません。

 

日本自動車査定協会がものさし

世の中に車の価値を決めるうえでの正しいと思われる「ものさし」を提供しているのがJAAIと呼ばれる日本自動車査定協会です。
この団体は日本に点在する自動車関連会社によって作られているもので、車の査定や査定士の教育、資格試験などを行っています。
この日本自動車査定協会には査定をする際に使う「クラス分け」というものが存在し、査定する人間はそのクラス分けを使って基本額を決めたりプラスマイナスを行いながら査定額を算出します。
ただクラス分けといっても車格や用途などによって細かく分けられているものではなく、単にエンジン排気量と価格帯だけで分けられているので、査定においても基本となる査定額を決めるだけに使われ、それ以外の部分は査定士や企業独自の判断ということになります。

クラス分けは「特」から「Ⅰ」、「Ⅱ」、「Ⅲ」、「Ⅳ」、「軽」まで6段階に分かれています。
「特」はエンジン排気量3リッター以上、「Ⅰ」は2リッターから3リッター未満、「Ⅱ」は1.8リッターから3リッター未満、「Ⅲ」は1.5リッターから3リッター未満、「Ⅳ」は1.8リッター未満の登録車、「軽」は軽自動車となっており、国産車の「特」においては価格帯によってさらに細かく「特A」「特B」「特C」と分けられています。

 

査定の実際のところ

日本自動車査定協会が適正な「ものさし」を提供してくれているのですからこれを使わない訳はありません。
しかし、買取店での実際の査定では、このクラス分けどころか日本自動車査定協会が提供する情報をほとんど使うことがありません。

日本自動車査定協会の提供データを使わない理由その1

日本自動車査定協会が提供してくれるデータを利用しない理由で一番大きなものとなるのが日本自動車査定協会自体にそれほど影響力がないことです。
そもそもこの日本自動車査定協会というのはディーラーなどを経営する企業によって作られている団体で、特にこれといった権限を持つものではありません。
この団体が行っている査定士の試験も国家試験などではなく、団体内での認定資格であって法的拘束力もありませんし、持っているからといって特別な職業につける訳でもありません。
むしろこの資格を持っていなくても査定をすることはできますので、よくある地域団体が勝手に作っている○○ソムリエなどといったものと同じと考えていいでしょう。

日本自動車査定協会の提供データを使わない理由その2

二つ目の理由は、かなりディーラー寄りの価値観しか持っていないこと、それもそのはずディーラーなどが集まって作っている団体ですので、そういった方たちにメリットがなければ誰も資金など出すわけがありません。
ディーラーにメリットとなる部分が査定額、日本自動車査定協会では査定も行いますがその査定額は実際の中古車市場のものよりかなり安い金額で、まさにディーラーでの下取り金額といっていい金額にしかならないことが多く、更にその金額が正式な査定額であるかのような取り扱いをするのです。
これは安い下取りしかしないディーラーにとってはその下取り金額を正しいものと裏付けるには有効ですが、高い査定額を出す買取店やもっと価値が高いであろう中古車市場ではなんの役にも立たないということです。

日本自動車査定協会の提供データを使わない理由その3

そして最後の理由があまりにも現実を無視した価値観しか持っていないことです。
同じ車を買取店とこの日本自動車査定協会の査定に出した場合、買取店ではきちんと中古車市場の動向を反映させた形で査定を行い、査定額も200万円といったなかなかのものとなりますが、日本自動車査定協会の査定では150万円にもならなかったというような声をよく聞きます。
買取店では独自の査定基準を持っているので何も無理して日本自動車査定協会のクラス分けや査定の仕方などを使う必要がないのです。

結局のところ、日本自動車査定協会の持つランク分けというものは誰も使うこともなく、それを使って査定をしても現実的な査定とは全く違う価値観を持つということになります。
いわゆる日本自動車査定協会内だけで重宝されているもので、これから車を買取店などで売ろうとしている方にとっては全く関係のないことと理解しておけばいいでしょう。