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日本全国にフランチャイズ展開しているある買取業者には「クレームガード保険」というものがあってそれに加入することをすすめられるようです。
もちろん加入するには買取金額によって5000円程度から22000円程度の保険料が発生するのですが、中には内容もほとんど理解しないまま、手数料のごとく天引きされてしまいわけも分からないまま加入してしまう方も多いと聞きます。
このクレームガード保険というのはいわゆる瑕疵担保責任保険といわれるもので、売買に関して売り手側にかかる瑕疵担保責任から発生する損害を補償しますというものです。

 

瑕疵担保責任について

瑕疵担保責任はこういった特殊な保険を用意している買取店だけにあるものではなく、物の売買のほとんどに発生するもので、極端な言い方をすればキズモノを売りつけてそれによって損害が生まれたらその損害に対して償いをしなければならないということです。

例えば、CDプレーヤーを購入したとします。
そのCDプレーヤーはもちろん新品でパッケージもきれいでどこにも壊れている様子はうかがえません。
しかし、購入したばかりのCDを入れて曲を聴こうと思ったとたん、へんな音がして曲すら聞けない状態でした。
そこで急いでCDを取り出したら深い傷がついていて、他のCDプレーヤーに入れても一切聞くことができません。
どうやらCDプレーヤーの内部が壊れていて、CDが回転する際に傷をつけてしまったようです。
こういった場合、もちろんCDプレーヤーは初期不良品として交換か返品ということになりますが、同時にキズモノにされたCDも弁償してもらうことができます。
この例では他にもいろいろなことが関わってきますが、実はこれが瑕疵担保責任というもので、要するに売主からものを購入し、買主側がそれを受け取った後でも購入時に気が付かなかった不具合によって発生した損害を賠償しなければならないということです。

買取店での車の売却でいえば、査定を受けて査定額にも満足がいき、売買契約を結んだ後に車を引き渡しました。
そのときの査定では特に何も言われなかったのですが、後日の再査定でエンジンの腰下あたりからのエンジンオイル漏れが見つかりました。
その位置はそれこそミラーなどを使ってでもしないと見ることができない場所で最初の査定では見つけにくいところです。
そこで買取店は売り手側に「エンジンオイル漏れが見つかりました。それを修理しないと中古車として売ることができませんので、当初の査定額ではなく、そこから修理費用を差し引いた金額で買い取ることになります。」という連絡を入れることになります。

この例では、「最初の査定時に気が付かなかったエンジンオイル漏れ」が瑕疵となり、「エンジンオイル漏れの修理代金」が瑕疵担保、その代金を売り手側に請求することができるというのが瑕疵担保責任ということになります。
要するに買取店の最初の査定で気が付かなかった、あるいは売り手がごまかしたということから発生した隠れた欠点を後から見つけたときに、その欠点によって車の買取額を低くすることができるという、買取店側を守るためのものであるということです。

なぜ、買取店に有利なようなルールがあるんだ?と思った方もいるかも知れませんが、前述したようなCDプレーヤーの時のように常に買手側は守られるものなのです。
不動産の取引でもそうですね。
あまりにも古い建物の場合は瑕疵担保責任免責などもあり得ますが、売手は買手に対して瑕疵担保責任は負うものとなっています。

 

瑕疵担保責任は回避できない

瑕疵担保責任というものは何もそういった保険があるからとか、問答無用に押し付けられるようなものではなく、どの買取店でも売買契約書にうたっているので、買取店で車を売却する以上必ずそれに従わなければならないものです。
それもそのはず、買取店もある意味、危ない橋を渡っているのですからそういった保護するものがなければ危なっかしくて商売にもなりません。
ただ、現実的にはあまりこの部分に詳しい説明がなかったりするので、売買契約となりその契約書が目の前にある状態になったらきちんとした説明を聞くべきです。

これは、一般的にそういったことはしないとか、そんなの昔の話ということで片づけるのではなく、その説明をきちんと受ける権利がありますし買取店側のきちんと説明する義務がありますので、他の契約内容と同様に納得のいくまで説明を受けるべきでしょう。
もしそれを面倒くさがるようであったり、さらりと流してしまうような簡単な説明で済ましてしまったりということであれば、後日何かしらの瑕疵担保責任を追及されると思って、そこでの売却はあきらめた方がいいと思います。

 

トラブルにならないために

あとから減額されるというのは、はっきり言って気持ちの良いことではありません。
売った側からすれば、トラブルに巻き込まれたと思ってしまうでしょう。
しかし、基本的にはどの買取店で売っても瑕疵担保責任は発生するもので逃れようのないことなのですが、悪徳業者の手口でもお話しをしているように、中にはこの仕組みをうまく利用して根も葉もない言いがかりをつけて、大幅な減額をいってくるところもあるようです。
だいたいそういったところは査定の時間も非常に短く、査定額も平均より高い金額を一発回答で出してくるのですぐにわかります。

ほとんどのトラブルは売り手側の注意次第で多少は防げるもので、こういったトラブルも査定の時にまかせっきりにするのではなく、査定をしている人間と同じ目線で一緒に見ていくといいでしょう。
それによって査定をきちんとしているかどうかとか、どれくらいの時間がかかっているのかなどがわかります。
また、査定時には決して隠し事はしないでください(余計なことは言わなくても良いですが)、たとえばラジエーターやフェンダーパネルの交換履歴があったのにそれを隠して、査定でもばれなかったとしても後で必ずばれます。
この場合はトラブルではなく、身から出た錆ですので素直に減額に応じるべきです。

瑕疵担保責任に関するトラブルは結構多いのですが、その1/3ぐらいは売り手側の出方によるものなので、買取店の信頼性を求めるのと同時に自分が正直であるかどうかも確認すべきかと思います。

冒頭でお話ししたクレームガード保険は、そういった責任負担は怖いという方は嬉しいシステムかも知れませんね。
ただ、新しい車なので一度も事故を起こしたことはないという認識があるのに、わざわざ加入する必要性はないようにも思えます。
こういった保険は、一人が重い負担を背負い込むのではなく多くの人で負担を分担しようという仕組みですので、賛同されるかたは参加すれば良い程度に考えておきましょう。