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買取店の査定に出す前は、何かと落ち着かないものです。
どんなことを言われるのか、いくらの価値があるのか、どこで減額されるのかなどまるで出来の悪い子供を入試の面接に出す親の気持ちと同じようです。

あそこにキズがあるなぁとかここが汚れているなぁとか事前にいろいろと車をなめまわすかのように見つめるわけですが、そのときにタイヤがやたらと減っていることに気が付きました。
よく見るとスリップサインなるものまで出ている状態、果たしてこれが査定額にどれだけ影響してくるのでしょうか。

 

スリップサインとは

そもそもスリップサインとは何でしょうか。
スリップサインはタイヤのトレッド面に入れられているタイヤに溝につけられているもので、実際のタイヤの溝より浅くなっている部分のことを言います。
タイヤのサイドウォールにも「▽」で位置が示され、その位置のトレッド面にはタイヤの溝をつなぐ形で浅い部分が作られています。

浅く作られているということは、これから車を乗り続けタイヤが減ったときに本来のタイヤの溝より早い段階で顔を出すことになり、タイヤの溝が多少残っていてもその部分だけがトレッド面の表面と同じ高さになるということになります。
これは一種の警告サインで、要するにこのスリップサインが顔を出した時は「もう少しでタイヤの溝が無くなりますよ」ということでタイヤの交換を促すためについているのです。

 

スリップサインが出たタイヤは整備不良

スリップサインのもう一つというか本来の役目となるのが保安基準に適合しているか、いないかを判断するということです。
タイヤのスリップサインは本来のタイヤ溝があと1.6mmしか残っていない時に出るような形で付けられています。
実はこの1.6mmというのは保安基準で定められている数字と同じもので、公道を走る乗用車はタイヤ溝が1.6mm以上なければならないという法律に基づいてつけられているものなのです。

要するにこのスリップサインが出ている状態のタイヤを一本でもつけて走ったら整備不良という交通違反として取り締まりの対象となるということです。
取り締まりを受けると「整備不良(制動装置等)」という違反とみなされ、点数2点、反則金9000円という罰則を受けます。

ただ、現実的にはタイヤ溝の取り締まりで、もし見つかったとしてもそれで検挙されることはほとんどなく、口頭での警告ぐらいで済むことが多いようです。
しかし、事故を起こした時などにタイヤ溝が既定の深さより浅い場合は多少なりとも過失責任が生まれてしまう可能性もありますので、そういった意味ではリスクがあるといっていいでしょう。

 

買取店でのタイヤの見方

買取は可能か?

スリップサインが出るほどタイヤ溝が減っている場合はすぐに交換することが望ましいということはお分かりいただけたかと思いますが、買取店でスリップサインが出ているタイヤを付けた車を売却するために査定に出したとしたらどういった扱いになるのでしょうか。
買取店など車の売買を扱う業者は基本的に違法改造などを行った整備不良車両の取引をしてはいけないことになっています。
ということは保安基準に適合していないスリップサインの出たタイヤを履いた車というのは、違法改造ではありませんがれっきとした整備不良車であるので、本来であれば買取店で買取を行ってはいけないものなのです。

でも現実は違います。
整備不良車であることには間違いはないのですが、違反として検挙されることがほとんどないのと同じように、これくらいであれば買取を行ってもおとがめなしということで、どの買取店でもタイヤ溝が少ないからといって買取を断ることはありません。
ただ、タイヤ溝が少ない車はのちに中古車として販売するときに中古車販売店なり、買取店なりが商品として売れるようにとタイヤを履き替える必要があるため、その分査定額から天引きされるような形となり、安い査定額となってしまいます。

査定額を上げるためにタイヤを履き替えるべきか?

タイヤ溝が減っていることによって査定額が安くなってしまうのであれば、査定を出す前に新品あるいはタイヤ溝の残っているタイヤに履き替えた方がいいのか?ということになってしまいますが、例えば今付けられている溝のほとんどないタイヤの他に溝のあるタイヤを組ませたホイールを持っていれば、履き替えてから査定に出した方がいいでしょう。
しかし、そのためだけに新しいタイヤを購入してそれに履き替えるのはおすすめできません。

なぜならタイヤ溝が少ないことによって査定額が安くなる額より新しくタイヤを買って履き替える方が高くつくからです。
要するに査定額を上げるためにその上がった金額以上の費用がタイヤ交換にかかってしまうということなのです。
これは買取店や中古車販売店では、安くタイヤを履き替えることができるからで個人がタイヤショップなどで格安タイヤを付けるよりもはるかに安く済むからです。

査定額の減額にしても高くても5000円ぐらいがいいところでしょう。
その5000円を補うために1本当たり15000円以上かけてタイヤ交換するのは無駄ということです。
つるつるのスリックタイヤ状態で買取店まで乗っていくのも危ない状態ということでなければ、スリップサインが出たタイヤでもそのまま査定に持ち込んだ方がいいでしょう。
今は自宅まで査定に来てもくれるので、そういったサービスを利用するのも良いですね。