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最近のニュースはどうも痛ましい交通事故が多くて困ります。
高齢者ドライバーのペダルの踏み間違い、運転中の突然死による制御不能、一番許せないのはポケモンGOなるスマートフォンゲームを運転中にして歩行者の列に突っ込むなどという事故です。
こういったものはドライバーの考え方や意識を変えないかぎり絶対なくならないものですが、そういったことは非常に難しく結局は罰則の厳罰化をするしかないわけです。

 

厳罰化で交通事故は無くなるのか?

答えは簡単です、Noです。
先ほども言いました通り、交通事故の原因のほとんどがドライバーの考え方、意識からくるもので、特に危険運転とされるものに関してはそういった傾向がかなり強いので、罰則を厳しくしたところですぐに交通事故を目に見えて減っていくかというとそうではないでしょう。

目先の交通違反の減少という点では多少なりとも効果があると思いますが、交通違反など取り締まる側となる警察の胸三寸でどうにでもなることですので、それに対しても厳罰化による影響はあまりないでしょう。
それでも国として警察として何かしなくては威厳を保つことができないということで、国会に案を提出して、それが認証されるだけといった簡単な手続きだけで行うことができる法の改正、罰則の厳罰化が行われるのです。

 

2013年の法の改正

2013年に一度、道路交通法の罰則に関わる法律が変わりました。
当時も飲酒運転、無免許運転、ひき逃げ、薬物運転や寝不足状態で運転することによる事故が増えていました。
それに対応するため罰則の強化を行い、罰金の金額、懲役の服役期間延長、違反点数の引き上げ、反則金の引き上げ、違反となる範囲の拡大などが行われました。

罰金は最大で6倍、懲役刑も最大で4倍、危険運転にまつわる違反の反則点数も倍以上厳しくされています。
飲酒運転に関してもそれまで注意だけで済んでいた軽度の飲酒運転も一発免停となりますし、どう見ても運転ができないぐらい酔っぱらっていることが確認された酒酔い運転では即取り消し処分となるようになりました。
しかし、これだけ罰則を強化しても依然として強化された部分が原因となる交通事故は大幅に減ることはなく、そして更に新たな交通事故原因となる高齢者ドライバーによる交通事故、スマートフォン注視による交通事故、過重労働による疲労が原因となる交通事故が増えてきたことによって更なる厳罰化が進むようになりました。

 

2014年の改正で更なる厳罰化と法律の強化

2013年の法の改正で大きな効果を得られなかった公安当局は、その後も毎年といっていいほど、ちょこちょこと道路交通法やそれに関わる法律を変えるようになりました。

危険運転に関して大きな変化をもたらしたのが2014年の改正によって新たに作られた「自動車の運転により人を死傷させる行為等の処罰に関する法律」です。
この法律では、主に刑が軽い自動車運転過失致死傷罪と刑が厳しい危険運転致死傷罪との間での適用に関わる部分がさらに明確化され、罰則の強化がされることになりました。

自動車過失運転致死傷罪は運転中の注意を怠ったことによって人を死傷させてしまったというもの、対して危険運転致死傷罪は危険な運転であることが分かった上で運転をして、それによって人を死傷させてしまった場合に適用されるもので、一応、古い法律でもこの二つのもののどちらに該当するかということが定義されているのですが、少々曖昧な書き方をしているのでその判断はそれこそ裁判官にゆだねられることになってしまい一般市民が明確に理解することができません。
それを少しでもわかりやすくしようという動きがこの「自動車の運転により人を死傷させる行為等の処罰に関する法律」の新設で、それまであった危険運転致死傷罪や過失運転致死傷罪も移行した形で新設されました。

 

新しい法律では、それまでの危険運転致死傷罪の項目に加えて、通行禁止道路でスピードを出して走る行為というものが追加されました。
通行禁止道路というのはいわゆる歩道です。
スマートフォン注視や飲酒、薬物、あるいは逃亡を図るために、自動車が走ってはいけない歩道を走ったり、突っ込んで行ったりして、人を死傷させてしまった場合に適用されます。
これは子供の列に車が突っ込んだことで死傷者を生んでしまった事故などに対応するために作られました。
厳密言えば、どういった理由で歩道に突っ込んでしまったのかということが定義されているわけではなく「重大な交通の危険を感じさせる速度」となっていることから、突っ込んだ原因は関係なくすべてが該当することになります。

それからこのようなものも付け加えられました。
それは「過失運転致死傷アルコール等影響発覚免脱罪」というものです。
これは過失運転致死傷罪に該当する状態で、更に飲酒運転や薬物運転を逃れようとして、その隠ぺい工作を図った場合に適用されるもので、警察への連絡を遅らせたり、ひき逃げ状態とし体からアルコールや薬物が抜けた頃を見計らって警察に出頭すると言った行為などが含まれます。
そして、無免許運転者による人身事故に対する罰則も強化され、無免許運転であったことだけで罪が重くなるようになりました。

どれも事故を起こさず、あるいはまっとうな形で運転していれば全く関係ないことですが、こういった罰則の強化をしなければ交通事故を減らすことができないと考えられる状態であるというのが現在の助教であるということを理解しておきましょう。
また、今後も厳罰化は進んで行くことでしょう。