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不幸にも人身事故を起こしてしまった時、その場でけが人などの救出や警察への連絡、そして自分が加入する自動車保険の損害保険会社に連絡を入れるという一連の流れを行い、その後、警察官や自動車保険の担当員などが来た時に事故の状況説明をすることになります。
そして、それらが終わると各々解散ということになるわけですが、人身事故を起こした場合はそれだけで済むことにはなりません。

 

人身事故で負う責任

人身事故を起こすと日本の法律では3つの責任を負う必要があります。

 

刑事処分

刑事処分は一般的によくある人身事故ではあまり関係のないことなのですが、例えば、人を殺すために事故を起こした、お酒を飲んでまともに運転ができない状態で事故を起こしてしまった、ひき逃げをしてしまったとか、暴走行為を行った挙句に事故を起こしてしまったというような、きわめて悪質と思われる理由が事故原因であると認められた場合にのみ適用されるもので、けが人のいないオカマ事故や怪我をさせてしまった、怪我をしてしまった場合でも怪我の程度が小さい場合は刑事処分を受けることはありません。

 

民事処分

民事処分はいわゆる損害賠償というもので、ほとんどの場合は自動車保険でかたがつくものです。
相手の車を壊してしまった、ドライバーや同乗者にけがを負わせてしまった、死なせてしまったという時に過失割合に則って、相手にお金を払うことで賠償責任を果たすというものです。
自動車保険に加入していれば、とりあえず心配する必要はないでしょう。

 

行政処分

行政処分は人身事故を起こしたことについて、あるいはその人身事故の理由となった違反に対して違反点数が加算されるもので、事故の規模や過失割合、原因などによって加算される違反点数が変わってきます。

 

行政処分の違反点数

人身事故を起こした場合は基本的に違反点数が加算されます。

 

基礎点数

まずは基礎点数として2点が加算されます。
その理由は安全義務違反という違反行為をしたことによる違反点数で、要するに道路交通法に「安全に運転しなければならない」と掲げられていることに反したということで、どんな理由であっても必ず加算されることになります。
その基礎点数に今度は事故の規模と過失割合などによってきめられている各々の点数が加算され、その後、点数によって行政処分が下されることになります。

 

死亡事故

相手を死なせてしまったという死亡事故の場合は、スピードの出しすぎ、スマートフォンの注視などといったこちら側にすべての責任がある場合は20点の加算で一発で免許取り消し処分、相手にも多少なりとも責任がある場合は13点で90日の免許停止処分となります。

 

重傷事故(全治3カ月以上または後遺症あり)

相手に全治3カ月以上の大けがや後遺症が残るような怪我をさせてしまった場合は、こちら側に責任がある場合は13点の90日の免許停止処分、相手にも責任がある場合は9点の60日の免許停止処分となります。

 

重傷事故(全治3カ月未満)

重症といっても全治3カ月未満の怪我を負わせてしまった場合は、同じ重症でも違反点数に違いが設けられており、こちらの全責任で9点加算で60日の免許停止処分、相手にも責任がある場合は6点で30日の免許停止処分となります。

 

軽症事故(全治15日以上)

軽症を負ってしまった方が出た場合、全治15日から軽症の定義となる全治30日未満の怪我に限っては、自分の全責任で6点の加算で30日の免許停止処分、両者の責任で4点の加算となります。

 

軽症事故(全治15日未満)

全治15日未満の怪我やはずみで建物や他人の家のブロック塀などを壊してしまった場合は、すべてがこちら側の不注意で起こった事故で3点の加算、相手にも非がある場合は2点の加算となります。

 

ひき逃げ事故

人身事故を起こし、その場にけが人などが出ていることが想定されるのに、その場から去ってしまったといういわゆる「ひき逃げ」「当て逃げ」を行った場合は、基礎点数や事故や死亡・怪我などによって付加される点数の他に措置義務違反として35点が更に加算されることになり、最低でも5年間の免許取り消し処分となります。

違反点数に付いては、事故や違反に対する点数や罰金でも詳しくお話しをしていますので、興味があれば読んでみて下さいね。

 

お金を払って終わりではない

このように人身事故を起こした場合は、それにどんな違反があったにせよ間違いなく違反点数が加算されることになります。
逆にいえば、どんなケースでも人身事故を起こせば間違いなく、行政処分としての違反点数が加算されることになるということです。

しかし、一つだけ違反点数が加算されない場合があります。
それは相手側がこちらに行政処分をもとめないということを明言した時です。

これは事故を起こした時の調書に書かれているもので、いわゆる被害者が相手に対して行政処分を科さなくていいといった神様のようなお言葉を陳述した場合は行政処分は行われません。
ただ、こういったことは稀であって、ほとんどの事故の場合は行政処分が科せられますので「人身事故=違反点数あり」と思っておいた方がいいかと思います。

ちなみに、人身事故とは車と人が絡む事故全てのことをいう訳ではありません。
被害者から診断書を警察に提出されると人身事故扱いになるのです。
ですから、被害者が病院に行かない、病院に行ったが診断書を警察に提出しないといった場合は、人身事故にはならないのです。