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日本の公道には一般道路と呼ばれる道路と自動車専用道路の一つである高速道路というものがあります。

一般道路と高速道路では起こる事故の原因や被害状況が大きく違うことがあり、得てして高速道路の方が被害が大きくなる傾向があります。
事故の傾向に違いが出るのは一般道と高速道路を走るときの環境の違いが大きく作用しているということ、ではその環境の違いを見ていくことにします。

 

スピードレンジが違う

これは両者において、大きく違う部分だと思います。
一般道では、最大で60km/h程度、ほとんどの道路で20km/hから60km/hといった形になることが多いわけですが、対して高速道路は100km/hとかなりの違いがあります。
これだけでも大きな違いがある形になりますが、高速道路では平均して120km/hぐらいで巡行していることが多いため、より一層、差が広がることになります。

高速道路においてスピードレンジが上がるということはどういったことかというと、一般道に比べてより一層、気を配った運転をしなければならないということです。

例えば、一般道で1秒間よそ見をしていたとするとその間に約16メートル走ることになりますが、高速道路で実際のスピード、120km/hで走っているとしたら、なんと約33メートルも進んでしまうということになります。
1秒間、注意を怠っただけで一般道の約2倍の距離を走ってしまうことになり、一般道では避けられる割り込みも高速道路では避けきれない場合があるということです。

また、カーブを曲がった時などの横Gもスピードによって大きく変わってきます。
高速道路ではRの大きなカーブはほとんどありませんが、緩いカーブだとしてもスピードが上がることによって大きな横Gがかかることになって、路面が乾いている状態であれば、ちょっと怖い思いをするだけで済みますが、雨が降っている時のように路面ミューが低くなっている状態ではタイヤがグリップを失う可能性があります。
その立て直しに関しても低速域であれば、カウンターをあてれば何とか立て直すことができますが、スピードが高いとその挙動変化のスピードも速くなるため、一般の方ではそのスピードにあわせることができず、立て直すどころかより一層大きな挙動変化を招いてしまうでしょう。

それと激しい雨が降り、路面に水たまりができるようになるとハイドロプレーニング現象の危険性が出てきます。
これになってしまうとステアリングを切ってもブレーキをかけても一切反応なしといったことになる可能性もあります。

要するにスピードが上がるといろいろな面で操作が難しくなるということで、一般の方ではそれに対応できるドライビングテクニックを持っていないことが多いため、高いスピードのまま側壁や他の車にぶつかり大破してしまうことになります。
スピードの違いによって起こる事故の被害は、一般道では物損事故や人身事故でも軽症から重症程度で済みますが、高速道路では重症から死亡事故に発展することになるでしょう。

 

運転環境の違い

一般道と高速道路では運転環境も違います。

一般道では交差点もあって、信号もあって、人が歩いていて、自転車も走っている、こういった中を走ることになるのですが、当然ドライバーとしてはそういったトラブルの原因に注意を傾けながら運転するわけです。
しかし、高速道路は太い中央分離帯に遮られ、現実的には対向車すらいない状態、交差点も信号も一時停止もない、歩行者が横断してくるわけでもないですし、子供が乗った自転車が飛び出してくることもないといった安全運転に適した道路なので、ドライバーもそういったことが絶対ないという概念で運転していることになるのです。

例えば、歩行者ですが、高速道路では、道路公団や警察官以外の人間が道路を歩くことはありません。
しかし、最近よく聞くようになった認知症の方の徘徊行動によって高速道路内に侵入してしまったり、あの道幅を横断しようとする方もいて、そういった方を目前にして走っていたとしたらドライバーはどうなるのでしょうか。
ほとんどの方はかなり驚くことになり、スピードも出ていることから全く対応できない状態となるでしょう。

それもそのはずです。
絶対にいないと思って安心して走っているのに、そこにいきなり歩行者が出てくるのですから、あっけにとられるというか、きっと自分の目を疑いたくなることでしょう。
路面に何か落ちていることはよくあることなので、そういった落下物に対してはある程度の心構えができていると思いますが、まさか人が横断してくるとは思わないはずです。

事故の被害としては、一般道では、急ブレーキのうえ、衝突回避や軽症から重症で済むことが多いと思いますが、これが高速道路となると確実に死亡事故になってしまうでしょう。

 

事故を誘う環境

実は高速道路には一般道にはない、事故を誘う環境があります。
それが居眠り運転です。

渋滞もなく快適に走っている状態というのは、ドライバーにとって非常に安心できる環境で、時々あるであろう車線変更やインターチェンジでの合流以外、大きな刺激になるものがありません。

ドライバーの視線ははるか前方を走る車を見ながら、ただ何もすることがなく走り続けるわけです。
最近では、軽自動車にすらつけられるようになったクルーズコントロールシステムのおかげで、それこそ足元に全く力を入れないでも走れるようになりました・・・、ここで眠さが襲ってきます。

一番怖いのが眠さが襲ってきていることすら理解できていない状態、要するに「ボ~~~」として運転している時で、助手席に座っている人間ですらドライバーが眠くなって、気が遠くなっていることにわからないような、見た目はきちんと目を見開いて前を見ているように見えますが、実際には目で見ていても脳がそれを判断していないということになってしまうのです。

それからもう1つ、眠くなる原因が音、高速道路というのは電車の線路のように道路を繋ぎ合わせて作ってあります。
そうなると当然「つなぎ目」があり、その部分を通ると「ゴトン」とか「コトッ」といった音がするわけです。
このつなぎ目が等間隔である高速道路を走ると、車に乗っている人間の耳には、「ゴトン・・・ゴトン・・・ゴトン・・・」といった定期的なリズムを刻んだ音に聞こえます。

定期的な音というのは精神的に眠りを誘うことが分かっています。
その状態を高速道路のつなぎ目が作っているのです。

どちらにしてもいわゆる居眠り運転は一般道路でも高速道路でも大きな事故を引き起こします。
それがスピードの速い高速道路となると、死亡事故につながる確率が非常に高くなります。

 

高速道路の事故は致命的

高速道路での走行は一般道の走行より、事故を起こしやすい環境にあるといえるでしょう。
それもかなり大きな被害につながる可能性を秘めている状態といえます。

それは何も自分や自分の車に乗っている人間だけでなく、第三者にもそういった被害を与えてしまうわけですので、走りやすいとは思いますが、高速道路を走るときは一般道とはちょっと違った安全運転を心掛ける必要があるのではないかと思います。