New article

最近はCVTに活躍場所を取られた感があるオートマチックトランスミッション、人によっては操作が難しいクラッチ操作や面倒なシフトチェンジもせずに、アクセルペダルとブレーキペダルだけで快適に走れるようにするトランスミッションですが、オートマチックトランスミッションは基本的にエンストを起こすことは考えられません。

 

オートマチックトランスミッションでエンストを起こす可能性

オートマチックトランスミッション搭載モデルはオートマチックトランスミッション内につけられているクラッチの代わりとなるトルクコンバーターのおかげで、停止状態でもエンジンを回し続けることができるようになっています。
そういった形で作られているオートマチックトランスミッションモデルでエンストを起こすのは完全にどこかが故障しているといった状態であると断言できるでしょう。
しかし、考えられる原因はたくさんあるので代表的なものを見ていきたいと思います。

 

エンストにつながる故障

トランスミッション

オートマチックトランスミッションの故障によってエンストを引き起こす場合は、トルクコンバーターと制御系の2つが考えられます。

トルクコンバーター由来のものはトルクコンバーター自体の内部の破損や、オートマチックトランスミッションフルード、ATFの劣化や不適切な量、質などによるところが多くなります。
トルクコンバーター内部は大きなプロペラとそれを挟むようにもう1枚の羽根が入っているのですが、構造的欠陥や衝撃などの外部からの力でそれらのプロペラが破損し、その破片がエンジン側のプロペラの回転部に挟まったりして回転できない状態になることがあるのです。
そして、更にその破片が制御系のオイルラインに入り込み、正常なトルク制御ができなくなって、エンジンに必要以上の負荷がかかったことによってエンジンが止まってしまうことがあります。

これに近いものにトルクコンバーター自体は正常でも、ATFの量の不足、ひどい汚れ、適切でない粘度のATFの使用などによって、オイル経路が詰まることによって正常な制御ができず、例えば、エンジン回転数が低いのにもかかわらずトルクの伝達を強くしてしまい、その付加に耐えられずエンジンが止まってしまうということもあります。

制御系といえば、制御自体は電磁バルブを用いた油圧制御を行っていることが多いのですが、その制御系に命令を出すAT用のコンピューターやECU内にあるAT制御系のプログラムに不具合があるときもエンジンが止まってしまうことがあります。

こういったトラブルの代表的なのがロックアップクラッチの制御です。
ロックアップとは常に滑りが発生することになるトルクコンバーターを一時的に直結状態にするもので、内部につけられているロックアップクラッチを繋げたり、離したりすることで制御を行います。

ロックアップは高速でスピードの変化が少ない、高速道路での巡行などに機能するもので、スピードやエンジン回転数の動きがあまりない時に使われます。
ロックアップクラッチがつながっている状態はまさに直結状態で、この状態が間違った制御によって、変速が必要な時や停止状態になっても直結したままになることがあります。
これにはロックアップクラッチ自体の故障も含まれます。

要するにマニュアルトランスミッションモデルでトップギヤに入れたまま、クラッチペダルを踏まずに停止するのと同じことが起こるということです。
スピードが落ちればそれに伴ってエンジン回転数も落ちる、スピードがゼロになれば、エンジン回転数もゼロになるということです。

この場合は後々、リコールやサービスキャンペーンなどによって無償修理が行われることが多いのですが、中には、隠れリコール、点検ついでのこっそり修理などといった形で更新されることがありますので、いつの間にか直ってしまっているといったことも多々あります。

 

エンジン回り

オートマチックトランスミッションモデルにおいてエンジンが止まってしまうといったトラブルの場合、十中八九エンジン側の何かしらの故障が発生していることを疑います。

自動車の制御というのは非常に賢く、トルクコンバーターの動きやエンジンの状態、ギヤボックスの状態などを統合して管理しており、例えば低速走行状態からアクセルペダルを深く踏むと、トルクコンバーターのトルク伝達を一度遮断するか少なくしてギヤを変速、その後トルクの伝達量を多くして、エンジン回転数が上がるのを待つといったことを一瞬で行います。

こうして考えると車ってすごいなぁなどと感心してしまいますが、残念ながらこういった制御はすべてが正常に機能して初めて正しい制御を行うように作られています。
ですので、逆に言えば、エンジンの何かしらのトラブルで、エンジン回転数が思ったように上がらないといった状態になると、車のコンピューターからすれば、このアクセル開度であれば3000rpmになっているから、ギヤを一段上げることができると判断してハイギヤードにシフトチェンジしますが、実際にエンジンにトラブルが出て同じアクセル開度でも1500rpmまでしかエンジン回転数が上がっておらず、トルクの細い低回転でハイギヤードは負担が多くノッキングののちにエンジンが止まってしまうといったこともあり得るのです。

統合制御して安定した状態を保つことができる一方、コンピューターの想定外のこと、ここでは故障となりますがそれが起こると間違った制御をしてしまい、それがエンストにつながることもあるのです。
エンジントラブルにはいろいろなものがあるので説明しきれませんが、スラッジによる不調やオルタネーター、エアコンコンプレッサーなどの回転部品の焼き付きによる負荷の増大、可変バルブタイミング機構の故障などが多く出ています。

ATモデルでエンストは重大なこと

マニュアルトランスミッションモデルであれば、クラッチ操作やギヤの選び方の失敗でエンストを起こすことは結構ありますので、エンストしてもそれほど深く考える必要はありませんが、エンストすることが基本的に全くないオートマチックトランスミッションモデルでそれが起こるということはかなり重大なことです。
もし、この症状が出た場合は、できればすぐにディーラーに持ちこんでみてもらった方がいいでしょう。
放置しておくと取り返しの付かない状態にまでなってしまう可能性もあります。